X(旧Twitter)で1話が公開されてから、単行本が出たら購入すると決めていたマンガが刊行されたので購入しました。
生物学のウンチクを交えた物語がおもしろそうだなと思い、読み始めた当初は本格的な生物学コメディに期待していましたが、読み終われば本当に素晴らしいのはヒロインの可愛さ。
ここ最近、読んだマンガの中でも個人的に好みに刺さるヒロインが、生物学のウンチクを披露しながら主人公と接近していくラブコメディマンガ『あくまでクジャクの話です。』を紹介していきます。
『あくまでクジャクの話です。』小出もと貴/講談社
『あくまでクジャクの話です。』は2023年11月30日から、コミックDAYSで連載が開始された生物学ラブコメディマンガ。
2024年4月10日には単行本第1巻も刊行され、第5話まで収録されています。
あらすじは以下の通り。
”男らしさがない”という理由で、彼女に浮気されフラれた教師・久慈弥九朗。世の中ジェンダーフリーのはずでは…!? と苦悶する彼の前に、モデルでインフルエンサーで成績優秀で“生物学部”部長の女子・阿加埜が現れ、生物学部の顧問になってくれと迫る。そして、なぜ結局「男らしさ」がモテるために必要なのか、クジャクの派手な羽を例に“生物学的”な説明を始める…! 身も蓋もない残酷な真実を突き付けまくる、生物学コメディ!
『あくまでクジャクの話です。』コミックDAYS作品ページより引用(https://comic-days.com/episode/14079602755444925507)
また2話まではコミックDAYSで無料で読めるので、まずは生物学とラブコメディの設定がハマるか体験してみてもいいでしょう。
ジェンダーフリーの時代に生物学のウンチクが刺さる
令和の時代は昭和や平成と比べても、いわゆるジェンダーフリーの風潮が大きく広がった時代に感じます。
そんな時代の恋愛観に対して『あくまでクジャクの話です。』は、生物学のウンチクを交えてズバッと切り込んでいく物語。
「君たち、時代はジェンダーフリーだよ」
「いきなりビンタされて終わりです」
第1話「性淘汰」より引用
ただし生物学が絶対的な正解として描かれているわけではなく、物語の本質からはちょっとズレているのが良い塩梅だなと感じました。
実際に物語上でもヒロインのポンコツさというか、物語をかき乱すための生物学ウンチクであり、時代に物申すというような感じでは無いのが好印象。
「生物学の知識が人間関係を築く上でも非常に役立つことがわかってもらえたと思います」
「どこがだよ! むしろこじれてただろ!」
第2話「利己的遺伝子」より引用
生物学という学問に興味を持つとともに、ちょっと生物学を学んだ気持ちになれるくらいの知識が読んでいておもしろいですね。
参考文献も最後に掲載されているので、さらにちゃんと知りたいなと思ったら、そちらを読んでみても良さそう。
ヒロインの可愛さが爆発する第5話
『あくまでクジャクの話です。』の第5話を読むまでは、よくできた「学問×ラブコメディ」のマンガだと思っていました。
そして第5話のヒロインの破壊力が強すぎて、この作品の最たる魅力がヒロインの可愛さだと気付かされましたね。
それまでのヒロインの毅然とした振る舞いなども腑に落ちる話であり、早く続きが読みたいと思わされる第5話で単行本1巻が終わったのは最高の引き。
ボーイッシュ系ヒロインが好きなら、絶対に刺さるからとにかく読んでほしいです。
ヒロインの今後が気になるマンガ
ラブコメディマンガの書評としては、陳腐な感想になってしまいますが、『あくまでクジャクの話です。』はヒロインの今後が気になるマンガ。
毅然とした振る舞いをしながらも、ポンコツさが抜けないヒロインにライバルキャラが登場したりすると、さらに展開がありそうですね。
単行本第2巻が2024年7月に刊行予定となっており、早く続きが読みたいと感じるマンガ。
ヒロインが語る「あくまでクジャクの話」が、「ほんとうは誰の話」にしたいのか伝えられる日がくるのでしょうか。
『あくまでクジャクの話です。』はまだ連載が始まったばかり、ぜひ一読してみてくださいね。