どーも、ミヤノチヒロ(@chihiro_miyano)です。
大きなジャンルとして確立され、様々な種類が考案されている異世界転生モノ。そんな異世界転生モノから、道満晴明先生の『冒険者絶対殺すダンジョン』を紹介していきます。
ブラックユーモアの名手が描く、コミカルにエロとグロを交えた異世界ファンタジーに、マンガ好きなら刺さる人も多いでしょう。
『冒険者絶対殺すダンジョン』道満晴明/KADOKAWA
2024年2月22日にKADOKAWAより『冒険者絶対殺すダンジョン』の単行本第1巻が発売。著者は『ぱらいぞ』(ワニマガジン社)や『ヴォイニッチホテル』(秋田書店)などで有名な道満晴明先生です。最新作の『冒険者絶対殺すダンジョン』も例に漏れず、ブラックユーモアが詰まった色の濃い作品でした。
そんな『冒険者絶対殺すダンジョン』のあらすじは以下となります。
ダンジョン。 それはロマンあふれる晴れ舞台。 ただし、冒険者にとっての。 清掃や備品補充にクレーム対応。 アイネとナハトは、今日もダンジョンのフロアスタッフとして裏方稼業に精を出す。 「――クソ冒険者が」 寄って集って他人の迷惑を顧みない冒険者たちに、いまダンジョン側が牙をむく! 唯一無二の痛快異世界バイトテロファンタジー、開幕!!
カドコミ作品ページより引用(https://comic-walker.com/detail/KC_003325_S?episodeType=first)
異常がコミカルに描かれる
主人公であるアイネとナハトは、1ページ目からトラックに跳ねられた人間をスマホで撮影するなど、褒められるような人間ではありません。ただ冒険者を絶対殺すダンジョンを作ろうとする動機の部分は第2話で描かれており、共感と納得もできるようなキャラクターではあります。
冒険者の多くは転生組と呼ばれる異世界から転生した人間たち。転生組には特権があり、ダンジョンで死亡しても安全に復活(リスポン)できることが説明されています。
「俺の名はスカオ、職業はスカトロ男優」
『冒険者絶対殺すダンジョン』第8話より
上記のセリフは、第8話の冒頭で転生したスカオのセリフ。彼はスカトロの知識を用いて、モンスターの糞から情報を判別する立派な冒険者となっていました。この第8話は精神的にグロい内容となっており、転生したことによって歪められた死生観があったため、悲しい結末へと続いているように感じられます。
異世界転生は、現世では押し殺してきた欲望や新たな欲望を見つけ、人間性を失ってしまう魅力がたくさんあるのでしょう。復活(リスポン)があるから、相手はモンスターだからと平然と解体できるようになってしまうのは、中立であるアイネとナハトを通じて見れば、はっきりと異常に感じられます。
異世界転生へのブラックユーモア
『冒険者絶対殺すダンジョン』では、ちょっとニヤつくブラックユーモアが魅力。特に異世界転生に関したセリフや、現実世界でのエロ方面でのネタなど、爆笑はしないけど笑っちゃうような要素が多いですね。
「見ろ、10体注文したのに輸送の途中で14体に増えてる」
『冒険者絶対殺すダンジョン』第4話より
「そのため入手した冒険者は使い所を出し惜しみしてしまい、結局使用する機会なく冒険を終えてしまうことが多い」
『冒険者絶対殺すダンジョン』第5話より
「名づけてMM(メドゥーサ見に行く)号」
『冒険者絶対殺すダンジョン』第9話より
ダンジョン内でコボルトがたくさんいる理由や、過去にRPGゲームをプレイしていてエリクサーを使わずにクリアした経験はあるあるネタ。また目を合わせてはいけないメドゥーサを管理する際には、親の顔より見た内装の車が登場します。
『冒険者絶対殺すダンジョン』は、少しエロとグロを混ぜながらも、力を入れすぎていない物語は休憩時間にピッタリ。時折、背筋が寒くなるような物語があったりと目が離せない構成も素晴らしいマンガだと感じました。
道満晴明先生の過去作が好きな人は確実に楽しめるでしょうし、30代男子は確実にハマることでしょう。webでも読めるので、気になった人はぜひチェックしてみてください。